精神看護学のススメ

看護系大学教員(精神看護学)の備忘録.

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教育活動まとめ

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みなさんどうも, なるとんです.

僕たち大学教員の主な仕事は, 教育・研究・社会貢献です.

僕が日頃行っている「教育」に関する活動について紹介します!

 

大学での講義・演習・実習

これが僕にとってのメインの仕事になります.

将来看護師を目指す大学生にとって必要な精神看護の知識を提供します. 

 

まず, 僕が担当する講義では, 精神看護の各論について教えています.

主な内容としては...

  • 主な精神疾患, 障害の特徴と看護
  • 精神看護の対象の理解と支援のための概念
  • 精神疾患・障害がある者への看護
  • 安全な治療環境の提供
  • 精神保健医療福祉の変遷と法や施策
  • 精神保健医療福祉における多職種連携

基本的に「看護師国家試験出題基準」に基づいて講義を組み立てています.

それぞれの項目について具体的に何を教えているのかは出題基準をご参照ください.

https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10803000-Iseikyoku-Ijika/0000159018.pdf

看-56から59までが精神看護についての項目になります.

精神保健の部分は他の教員が「概論」で教えています.

 

続いて, 演習です.

演習では主に...

  • 紙上事例による精神科での看護過程の展開
  • 精神科におけるフィジカルアセスメントと精神状態の評価演習
  • 実習でよく遭遇する場面を想定したロールプレイ
  • 地域の精神科病院や就労支援施設のスタッフによる講義

などを行っています. 

実習に出ても困らないようにするための内容を盛り込んでいます.

 

もちろん, ただただ作業をするのではなく, アクティブラーニングの手法を取り入れ, 学生と教員や学生同士が自分の考えをディスカッションなどで共有する時間を設けています.

 

ロールプレイなんかは, 教員が患者役をして, 最初は何もヒントのない状態で学生に対応してもらい, その後で学生同士で「できていた点」「追加するともっと良くなる点」について話し合ってもらい, リトライしてもらう(SST方式)という方法をとっているのでなかなか盛り上がったりします.

 

また, 地域の精神科病院や就労支援施設(どちらも実習先)のスタッフの方に, 外部講師としてお話しいただくことで, よりリアルな精神科を取り巻く現状を伝えられるようにしています!

 

最後に実習です.

この実習では, 10日間という限られた期間の中で, 精神科病棟で6日間と就労支援施設で3日間の実習を行ってもらっています. 最後の一日は学内で学生同士のカンファレンスをしてもらい, お互いの学びを共有してもらう時間とレポートを作成する時間にしています.

 

かなりタイトなスケジュール設定になってしまっていますが, 精神科医療が「入院医療から地域へ」移行していることを踏まえ, 医療と地域との連携を学んでもらえるよう工夫しています.

 

6日間で看護過程をしてもらうため, 教員サイドもかなり学生のサポートを行います. ただでさえ慣れない精神科とセルフケアモデルに四苦八苦しているわけですから, ここは教員がサポートしていくのが当然かなと思っています.

 

簡単ではありますが, 以上が大学で行っている講義・演習・実習の概要です!

 

日本精神科看護協会支部研修の企画・運営

日本の精神科看護師の職能団体として, 日本精神科看護協会(以下, 日精看)という組織があります. 簡単に言えば, 精神科の看護協会ですね(そのまんまですね...).

 

どのような組織なのかは, 日精看のWebサイトをご参照ください.

www.jpna.jp

 

僕は, ご縁があってこの協会で支部の教育委員長をさせてもらっています.

支部の教育委員長の仕事として, 担当地域の精神科看護師への研修の企画・運営があるのです. 

 

精神科で働いている看護師の方々の研修へのニーズは多岐に渡ります. 

それらをアンケートで把握した上で, 研修を企画します.

例えば...

  • 経験年数に応じた研修
  • 認知行動療法についての研修
  • 精神科での感染予防に関する研修
  • 認知症の方への関わり方
  • 暴力への対応
  • 職員へのメンタルケア
  • アンガーマネジメント
  • 看護研究の始め方

などなど, 本当に多くのニーズが存在するので, 月一回の研修開催を行い, 精神科の看護師さんのスキルアップに貢献させていただいています!

 

日精看では, 本部でもオンラインで様々な研修が受けられるので, そちらをご案内することもあります.

 

ちなみにですが, このサイトの「精神看護の知識で誰もが暮らしやすい社会を作る」という運営方針は, この日精看の理念に基づいて決めました.

 

このような日々の学びの積み重ねが, 精神看護の発展につながってくれたらいいなと思っています.

 

県内施設や専門学校での非常勤講師

地域の精神科病院での院内研修や, 看護教員の不足している専門学校で「看護研究の進め方」に関する講義なども担当しています.

 

研究と聞くと, 二の足を踏んでしまいがちですが, 実は自分の主張を通そうと思ったときには, エビデンスを提示することが非常に重要です. 

 

かつて, フローレンス・ナイチンゲールも負傷した兵士の療養環境を改善するために, 幾度となく調査を行い, エビデンスを提示し続けて来たそうです. 

 

研究の大切さや楽しさを伝えていくことも, 大学教員としての僕の大切な役割だと考えています! 

 

SNSを活用した情報発信

現代は, インターネット環境が整備され, 誰でも気軽に情報を発信することができるようになりました. 

 

精神看護や大学教員としての働き方について, その楽しさや重要性, 正しい知識を普及するにはもってこいの時代だと考え, SNSを活用した情報発信を行っています. 

 

精神看護に関する知識の発信はインスタグラムで↓

https://www.instagram.com/naruton_mentalhealth_nursing/

 

大学教員の日常のようなフランクなことはTwitterで↓

なるとん@精神看護学のススメ (@Naruton_Mental) | Twitter

 

自分自身も楽しみながら更新しています.

半分は趣味のようなものですね!

 

おわりに

以上が, 現時点での僕の教育活動になります.

 

現在の日本での, 精神看護に対する知識は, まだまだ十分であるとは言えません. 加えて, 医療は日進月歩で進化していき, 精神科も例外ではありません.

 

微力ではありますが, これからも精神看護を専門とする看護系大学教員として, 日本の精神看護の発展に寄与できればと思います.

 

おそらく, 僕の教育活動はこれからまだまだ増えて行くと思いますので, そのつど追記していこうと思います. 

 

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