精神看護学のススメ

看護系大学教員(精神看護学)の備忘録.

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研究者の世界「論文を投稿する!」編

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みなさんどうも, なるとんです. 

 

僕たち研究者は, 研究によって新たに得られた知見を, 世の中に広めていくという役割も担っています. その一つの方法が論文として投稿する事です.

 

得られた知見を論文としてまとめ, 適切な学会誌に投稿することで, 様々な人の目に留まり, 自分の専門領域の学問を発展させることに繋がっていきます.

 

そのためにも, 研究費を獲得する必要があることは, 以前の記事で記述した通りです.. 

www.narut0n.com

 

そこで今回は, 研究者が論文投稿をする時にどのような手続きを行っているかを紹介したいと思います.

 

目次

 

 

 

論文投稿をする意義

冒頭でも少し触れていますが, 研究を行うことは, 僕たち研究者の大切なお仕事の一つです. ただ研究を行い, その結果をみて自分だけが納得しているのでは仕事とは言えませんよね?

 

僕たちが研究を行うことの最大の理由は, その研究結果によって...

世の中を少しずつ良い方向に持っていくことです!

 

世の中を良い方向に持っていくというと, 少し大げさな感じもしますが, 例えば僕の専門分野である「精神看護学」について研究することは, どのようにすれば人々が心穏やかに暮らしていけるのかを追求する事になり, そこで得られた新たな知見は, 世の中の人の心の健康度をあげることに貢献できるかもしれません. 

 

つまりのところ, 僕たちには, 研究を行い, 新たな知見が得られた場合に, その結果を世の中に還元するという責任があるわけです.

 

では, どのようにその知見を世の中に還元していくのか?と考えた時に, その一つの方法として論文投稿が挙げられるのです(論文にも様々な形式があるので, それはまたの機会に紹介します).

 

投稿論文を執筆する前に

論文を書く時の詳しい手順は, 別の機会に紹介します. 今回は, 投稿する論文について説明していきたいと思います.

 

大学で卒業論文を経験したことのある方は知っているかもしれませんが, 論文の構成は, おおよそ「はじめに」「目的」「方法」「結果」「考察」「引用文献」といった形に整理されます. 

 

論文の構成については, だいたいどこの学会誌でも似ているように思います. 

 

しかし, 学会誌によって異なる点がいくつかあります. 

例えば...

  • ページ数の関係で文字数の制限が異なる
  • 図や表の数が制限されている
  • 引用文献の示し方

以上のような点が, 学会誌によって異なることがあるのです. 

 

論文を書く際には, 自分が投稿しようとしている学会誌の「投稿規定」「執筆要領」を必ずチェックします. 

 

この投稿規定や執筆要領には, 自分の研究内容や結果が学会誌とマッチしているか, 論文を執筆するにあたって注意しなければならないことは何か, などが細かく丁寧に記載されています. 

 

これらをしっかりと確認したうえで, 論文の執筆を行います.

 

論文を投稿すると何があるのか

論文を投稿すると, その学会誌の編集委員の先生方が, 投稿した論文を審査してくれます. これを「査読」と言います.

 

査読では何を審査されているのかと言うと...

  • 投稿規定や執筆要領に書かれているようなことが守られているか
  • 研究の内容に一貫性はあるか
  • 内容に新規性があるか
  • 主観的な意見でなく, 客観的な考察ができているか

などなど, とても丁寧に審査してくれます. 

 

審査の結果, 学会誌に掲載してもらえるようになることを「アクセプトされた」といい, 残念ながら掲載してもらえなかった場合を「リジェクトされた」といいます. 

 

審査の結果, 一発でアクセプトされることもあれば, 一部を修正すれば掲載可能と言うお返事を頂くこともあるので, もしも修正がある場合には, 査読の先生方のコメントの一つ一つに丁寧に応答する必要があります. 

 

この辺りが, 研究者は常に誠実でなければ務まらないということにもつながってくるのかもしれませんね.

 

アクセプトされた後はどうなるのか?

掲載されることが決まった後のことについても, 各学会誌の投稿規定に記載されていることが多いです. 

 

投稿料がかかる場合は, その請求があったり, 別刷りがどのくらいいるのかという打ち合わせが合ったり, 掲載までにもいろいろと手続きが合ったりします. 

 

それらの手続きも終了し, 学会誌に掲載されると, まずはその学会に所属している人々には学会誌が配布されるので, そこで多くの専門家の先生に読んでもらえることになります. 

 

さらに, 論文の検索データベースにも掲載されるので, 学会に所属している先生以外の方からも引用されたり, 読んでもらえるようになります. 

 

学会誌によっては, オンラインのフリーアクセスを準備しているところもありますので, そうなるといよいよいろんな人の目に留まることになると思います. 

 

過去には僕も, 資料論文として投稿した調査結果がYahoo!ニュースの記者さんの目に留まり, わざわざ取材に来てくれたこともありました. 

 

論文投稿は大変!ですが...

論文を投稿するのは, 正直言って大変です...

 

今後詳しく紹介していきますが, そもそも論文を一本書くために...

  • 研究計画書の作成
  • 倫理審査の通過
  • 調査の実施
  • データ収集と分析
  • 得られたデータに関する考察

以上のように, 複数のステップが存在します. 

 

また, 学会誌にもよりますが, 論文を投稿してから掲載されるまでに3か月から半年くらい時間がかかることもあります. 

 

論文を執筆し, それが学会誌に掲載されるまでには過程が色々とあるわけです.

自分の主張にエビデンス(根拠)を持たせ, 社会貢献をしようとするわけですから当然と言えば, 当然なのかもしれませんね(汗) 

 

まぁ, 自分の興味関心のある分野だからこそ, これだけの時間や労力をかけることができるのかなと思います.

 

まさに...

好きじゃないとできない職業かもしれないですね(笑)

 

おわりに

今回は, 論文投稿について書いてみました.

 

僕たち研究者が日頃何をしているのか, なんとなく伝わってきているでしょうか?

(まだまだ記事数が少ないじゃん!という声は華麗にスルーしますb)

 

順番的に, 本当は論文の種類や調査方法の選択など, 研究の開始についてを先に書く方が良かったのかもしれませんが, それはまたいずれ紹介するということで... 

 

精神看護に関する研究を通して, 誰もが暮らしやすい社会にすることが, 当面の僕の目標ですので, これからも世の中の役に立てるような研究や論文投稿を行っていきたいと思います.

 

それでは、また次回の記事でお会いしましょう!

 

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