みなさんどうも, なるとんです.
僕たち研究者が, その成果を発表する方法の一つとして, 以前紹介したように論文を投稿するという方法があります.
今回は, その他の方法として「学会発表をする」ことを紹介したいと思います.
申し込みから発表までの流れを紹介していきますね.
- まずは研究をしよう!
- 研究結果を発表する学会を決める!
- 募集期間中に要旨を提出しよう!
- 発表方法に合わせて資料を作ろう!
- 発表のときは絶対緊張する!
- 質問してくれた先生とは名刺交換をしよう!
- 懇親会にも参加しよう!
- 終わりに
まずは研究をしよう!
まずは自分の興味関心があり, 社会貢献に繋がりそうなテーマで研究を行うところからスタートするのですが, この過程に関しては, 論文投稿でも学会発表でも同じですね!
研究を始めるにあたって...
- 研究計画書を作成する
- 倫理審査を受ける
以上のような課程が必要となってきます.
倫理審査のことや, それを通過するための研究計画書の作成方法などは, 後日紹介していきますね.
倫理審査を通過すると晴れて調査が行えます!
その調査の結果をまとめ, 考察をすることで, 自分の研究のストーリーが見えます.
本来は, 研究計画の段階でおおよそのストーリーは考えておくのですが, 調査結果によっては考察の仕方も変わってくるでしょう.
ここまで来たら, どの学会で発表するかを考えていきます.
研究結果を発表する学会を決める!
僕を含め, 多くの研究者は自分の研究テーマに近い学会に所属していると思うので, その学会で発表することが大半です.
例えば僕の場合だと...
- 日本精神科看護協会(日本精神科看護学術集会)
- 自殺予防学会
- 日本精神衛生学会
- 日本社会精神医学会
以上のような学会に所属しており, 年に一度ある学術集会(学会)で発表しています.
しかし, 時に自分の研究結果が, 他の領域の人にも知ってほしい結果となる場合があります.
例えば...
「自殺未遂者への対応について調べていたら, 精神科領域の医療者よりも, 救急部の医療スタッフに知っていてもらった方がよさそうな結果が得られた」ということもあります.
そんな時は, 救急部の医療スタッフが多く参加しているであろう学会で発表します.
ただ, 学会で発表するためには...
- 学会への入会費(約1万円)
- 学会の年会費(約1万円)
- 学会への参加費(約1万円)
- 旅費(場所によってだいぶ違う)
以上のような費用が掛かってきます.
1つの研究成果を発表するにも結構な費用が掛かるという世知辛い現実"(-""-)"
こんな時のためにも, 研究費を獲得しておいた方が良いのです.
募集期間中に要旨を提出しよう!
発表する学会が決まったら, 自分の研究内容について要旨(抄録)にまとめます.
要旨とは, 自分の研究についての概要をまとめたもので, この要旨は学会で抄録集としてまとめられています.
要旨の構成は...
- はじめに(研究の動機などを書きます)
- 対象者と方法(対象者と方法について行った事実を過去形で書きます)
- 倫理的配慮(最近かなり厳しくなってきました)
- 結果(事実を過去形で書きます)
- 考察(先行文献などとの比較を通して, 結果から言えることを書きます)
発表する学会によって, 形式が異なる場合もありますが, だいたい上記のような内容が記載されていれば大丈夫だと思います.
いずれにしても作成要領を必ず確認しましょう!
要旨は質疑応答の際の資料にもなるので, 自分の研究のポイントをしっかりと記述しましょう!
最近は学会のWebサイトから申し込むことが多いので, インターネットが苦手な方は早めに準備しておくほうが良いでしょう.
申込が終了したら, 発表の可否の連絡が来るのを待ちます(ここでも審査があるわけですね). だいたい1か月から2か月のうちに発表の可否と, 発表方法が口頭または示説(ポスター)のどちらかになったことの連絡が来るはずです.
発表方法に合わせて資料を作ろう!
学会から連絡があった発表方法に合わせて資料を作成します.
口頭発表の場合, 多くはスライド(パワーポイント)で作成します.
示説(ポスター)の場合は, 学会の指示にしたがってポスターを作成します.
いずれの場合も, 併せて発表原稿を作成し, 当日に備えて練習をします.
発表時間を超えるとディスカッションの時間が減ってしまい, せっかくの有益な時間が無くなってしまいますので, 時間きっかりに終われるよう練習もしておくと良いでしょう.
スライドやポスター作成時には, 学会の指示に従いますが, 基本的なルールもありますので, それもまたの機会に説明しますね!
発表のときは絶対緊張する!
僕は, この仕事についてから毎年のように学会で発表していますが, いまだに緊張します. もうそれは生まれたての小鹿のように足をプルプルさせながら発表しています(汗).
この緊張への対策として...
絶対緊張するからしかたない!
と開き直ることにしています(笑).
特に, 初めて国際学会で発表することになった時は本当に緊張しました.
慣れない英語で話すということもあり, 前日は宿泊しているホテルでもかなり練習しましたが, 実は同じホテルに泊まっている人のほとんどが同じ学会に出席する先生方だったみたいで...
僕の練習の声が聞こえていたのか, 発表の時に「昨日熱心に練習していたのは君だったのか!」と声をかけてもらえました.
恥ずか死んでしまいますね(/ω\)
ただ練習しておくと, 緊張していても伝えたいポイントは外さずに話せると思います.
質問してくれた先生とは名刺交換をしよう!
発表の後には, 必ず質疑応答の時間が設けられています.
たくさん質問してもらえるということは, それだけ自分の研究結果に興味を持ってもらえたということです. 質問してくれた人は, その研究に関心が高い人ともいえます.
よく「質問しないでほしい.」とか「質問はない方がいい.」という声を耳にします.
発表者の心境からしたら当然なのでしょうが, 実は質問の無い発表は, 内容が分かりづらいか興味を持ってもらえていない可能性が高いのです.
話を戻しますが, 質問をしてくれた方には, その場で真摯に回答することが大切です. また, 質疑応答の時間が終わったら, 質問してくれた方のところにお伺いし, 名刺交換をします. そうすることで, 質疑応答で伝えきれなかったことや, 今後の研究のお話しなどができ, ネットワークが広がっていきます.
懇親会にも参加しよう!
学会の夜には, だいたい懇親会が予定されています.
(現在はコロナのためにオンライン開催が多いです)
この懇親会に参加して, いろんな先生方とディスカッションすることは, 人脈を広げることや新しい研究のアイデアを得ることなどに繋がり, 今後の研究活動にとって有意義な時間となります.
研究者になりたての頃に参加した学会の懇親会で, 自分が修論に引用した論文や, 精神看護学のテキストの著者の先生方に直にお会いでき, 様々なお話が聞けたうえに...
「若いのに懇親会まで参加して感心です.」
とまさかの誉め言葉を頂いたのも, 今ではいい思い出です.
学会の懇親会は, 本当にいい時間だと思います.
終わりに
今回は, 学会発表について書いてみました.
学会発表って, 準備にはめちゃめちゃ時間がかかるけど, 発表は一瞬です. しかもめちゃくちゃ緊張する. でも, その発表が社会制度を変えることもあれば, 当事者や支援者の今後の活動への一助となることもあるわけです.
机上の空論かもしれない結果や, 実用化までに時間のかかる結果もあるかもしれませんが, いつか社会を豊かにするための一助になると信じて, 研究活動に取り組んでいければいいなと考えています.
紹介しきれていない部分もあると思いますが, 今回はこの辺りで!
不足部分があれば, また追記していきます.
また次回の記事でお会いしましょう!
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