精神看護学のすすめ

An Invitation to Psychiatric Nursing

趣味が見つからないあなたへ―メンタルヘルスの視点から考える「楽しいことリスト」―

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村

 

みなさんは、趣味をお持ちでしょうか。

趣味を持つことは、ストレスマネジメントの観点から見ても、とても有意義なことだと私は考えています。日々の生活の中では、仕事や学業、家庭での役割など、さまざまな「やらなければならないこと」に追われがちです。そうした中で、趣味は「しなければならないこと」から一時的に距離を取り、「自分のために過ごす時間」を確保する手段になり得ます。

一方で、「趣味は何ですか?」と聞かれて、すぐに答えられない人も少なくありません。
実は、少し前までの私自身もそうでした。これといった趣味が思い浮かばず、どこか引っかかりを感じながらも、「忙しいから仕方ない」とやり過ごしていた時期があります。

また、周囲を見渡してみると、「趣味がなくて悩んでいる」「何か始めたいけれど分からない」という声が、思っている以上に多いことにも気づきました。

そこで今回は、「楽しいことリストを作ろう」というテーマで、趣味の見つけ方について、看護・メンタルヘルスの視点を交えながら考えてみたいと思います。

この記事は、

  • 趣味が欲しいけれど、なかなか見つからない人
  • 趣味はあるものの、数が少なく、生活の中で余白を感じにくい人

そんな方に向けた内容です。

そもそも、趣味はなぜ大切なのでしょうか

「趣味がなくても生活はできる」

それは事実だと思います。

ただ、メンタルヘルスの視点で見ると、趣味には重要な役割があります。趣味は、気分転換やストレス発散といった側面だけでなく、「役割から解放される時間」を作るという意味を持っています。

看護の現場でも、ストレスが慢性化している人ほど、「楽しみがない」「最近笑った記憶がない」と語られることがあります。楽しみが減ると、生活の中でポジティブな感情を感じる機会も減り、気づかないうちに心のエネルギーが消耗していきます。

また、趣味や余暇活動は、健康寿命とも関連があると言われています。身体を動かすものだけでなく、創作活動や人との交流も含め、何かしらの「楽しみ」を持つことは、心身の健康を保つうえで大切な要素です。

 

趣味が見つからないのは、怠けているからではありません

「趣味がない自分は、何か足りないのではないか」

そんなふうに感じてしまう人もいるかもしれません。

しかし、趣味が見つからない背景には、忙しさや疲労の蓄積、ストレスによる意欲低下など、さまざまな要因があります。メンタルヘルスの観点では、「楽しみを感じにくくなっている状態」そのものが、心のサインである場合もあります。

そこでおすすめしたいのが、「趣味を探す」よりも前に、「楽しいことリスト」を作るという考え方です。

 

「楽しいことリスト」とは何か

楽しいことリストとは、「趣味」と呼べるかどうかにこだわらず、「これをしているときは少し楽しい」「気分が落ち着く」「嫌なことを忘れられる」と感じることを、自由に書き出したものです。

もし、楽しいことがすぐに思い浮かばない場合は、

  • 少し興味があること

  • 昔は好きだったけれど、最近していないこと

  • いつかやってみたいと思っていること

こうした内容でも問題ありません。

ここで大切なのは、評価や完成度を気にしないことです。まずは、頭に浮かんだものをそのまま書き出します。

 

リストを整理し、行動につなげる

ある程度書き出せたら、それらを次のように分けてみます。

  • 時間や費用がかかるもの

  • 時間や費用があまりかからないもの

これは、「今の自分にできそうかどうか」を見極めるための作業です。

楽しいことリストが完成したら、その中から「今すぐできそうなもの」を一つ選び、実際にやってみます。行動に移してみることで、自分に合うか合わないかが、少しずつ分かってきます。

看護の視点でも、「小さな成功体験」を積み重ねることは、自己効力感を高めるうえで重要だとされています。趣味探しも同じで、完璧を目指す必要はありません。

 

一人で難しいときは、誰かと一緒に

一人で楽しいことリストを作るのが難しい人もいるでしょう。そんなときは、家族や友人、恋人と一緒に考えてみるのも一つの方法です。

他者の視点が入ることで、「自分では当たり前だと思っていたこと」が、実は楽しみになり得ると気づくこともあります。また、話しながらリストを作る過程そのものが、良いコミュニケーションの時間になることもあります。

 

おわりに

今回は、メンタルヘルスの視点から「楽しいことリスト」を使った趣味の見つけ方についてお話ししました。

これは、あくまでストレスマネジメントの一つの方法であり、すべての人に当てはまるわけではありません。ただ、趣味がないことで悩んでいる人にとって、「楽しみを探してもいい」「小さなことでいい」という視点を持つきっかけになれば嬉しく思います。

日常の中に、ほんの少しでも「自分のための時間」が増えることは、心の健康を保つうえで大切な一歩です。

よければ、無理のない範囲で試してみてください。

 

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村